
前回、テント泊の旅!とかほざいておきながら、一切テントの話は出てきませんでしたが、こんにちは、マツクラです。
北横岳まで登ってきた私は、この後大岳に登り、双子池に下ります。そして、キャンプや双子山を経て、麦草峠まで戻ります。
この双子池が清々しく気持ちよかったんだよねー。非常に心休まるひとときを過ごすことができました。
それでは、行ってみましょう!あ、コースタイムとか評価とかは前回のブログをご覧ください。前回のブログはこちら↓
北横岳~大岳~双子池 湿気と雪との闘い
北横岳~大岳

北横岳(北峰)より本日キャンプ地である双子池を目指します。双子池への行き方は2通りあり、大岳方面と亀甲池方面があります。
なん…だと…。大岳方面には「(難路)」の文字があるではないか。15キロオーバーのテント泊装備のなか、本日4座目を目指していた私は、「(難路)」の文字にビビってしまいました。
「疲労した今の俺に難路など行けるのか…?」
「ブログ開設を構想したはいいものの1回も更新できず終わるのか…?」
なんて脳を巡りましたが、亀甲池方面で見れるものは池であり、池は双子池も見るし、次の日雨池も見るから池はいいかな、と思ったので、天気もいいし大岳方面へ進むことに決断しました。

と、歩いて10分もしないうちに、鎖場が現れました。さすが難路ですが、ここは難なくクリア。

途中、双子山が見えました。今日はあそこまで登るんだ!と自分の体に鞭を入れます。
若干おじさんの頭のように進行してる、と思ったのは私だけでしょうか。

どうでしょう。気持ちいい森に見えますが、この時は正午過ぎ。
蒸し暑い!
んですよ。気温は20度前後だと思いますが、6月の梅雨の晴れ間の日光は強く、その熱で地表の水分が蒸発しまくります。前の日雨が降った影響もあるのでしょうね。
この辺はとにかく暑かったです。朝は森が気持ちいいとか言っておきながら、わがままですね。

しばらく下って登り返すと、岩がゴロゴロした開けた場所に出ました。

見えた!大岳です。あとちょっと。

しばらく行くと、大岳分岐に到着。大岳方面は行き止まりなので、ここで重たいザックをデポって大岳方面に進みます。
この先岩場っぽかったので、手袋だけ持って進みます。
ちなみに、私はホームセンターで買った数百円の手袋を登山用として使っています。
登山用の手袋には、
- 通気性がある
- 濡れても乾きやすい
- 相応のグリップ力がある
ことが求められると思うんですが、これに当てはまるヤツはホームセンターに作業用手袋としてお手頃価格で売っています。
ご興味ある方+私みたいに金欠な方にはオススメです。
あ、不安な方はちゃんとした登山用手袋を買った方がいいと思いますよ!

大岳まではこんな岩場を進みます。しかし、ザックをデポったから体が浮いているように軽い!
全身を使ってサクサク登っていく。

13:01 標高2,382m 大岳に登頂。本日4座目。
ここまで来ると、周りに邪魔するものがなくなるので、心地よい(若干強い?)風が吹いてくるようになり、先ほどの蒸し暑さとは無縁となります。
ここも展望がよかったです。

浅間山の内輪山と外輪山がはっきり見えます。

遠くに荒船山が見えます。テーブルトップが特徴的ですね。

蓼科山。冬にしか登ったことがないです。夏はどんな感じなのかなー。

双子山をさっきより上から見下ろす。

北横岳。さっきまでいました。

もちろん南八ヶ岳方面も見えます。手前に見えるのが、午前中に登った縞枯山と茶臼山ですね。

この日3度目の山頂からの景色(縞枯山は展望なかったからね) を堪能しました。岩々している山頂に別れを告げて、双子池に向かいます。
大岳~双子池

双子池まではひたすら下りです。標高差350mを一気に下ります。
写真にはあまり写っていないですが、ここには、この時期多くの雪が残っていました。日当たりが悪いからなかなか解けないのでしょう。溶けかかってよく滑る状態になってました。
この雪が、急登+テン泊装備には地味だけどなかなか凶悪な存在となりました。高い段差を降りようと足を延ばしたら、いるんですよ、カチカチな雪が。
ここは適切なルートファインディング能力とアイススケーティング技術により、何とか乗り越えました。
も、もちろん、アイゼンは持ってますよ。6本爪だけど。皆さんは危険だと思ったらすぐに滑り止めつけましょうね。

このような巨岩も下っている最中に途中で現れます。

少し樹林帯の下りを抜けると、このような岩場が現れます。ちょっと歩く場所を間違えると進めなくなるので気を付けて歩きます。

天狗の露地に到着。由来は調べてもわかりませんでした。ご存じでしたら誰か教えてください!

再び樹林帯の下りを進みます。まだかなーと思いながら進んでいると…
この日は平日で大岳方面に進んでから誰にも出会いませんでしたが、前方から声が聞こえてきました。進んでみると、この辺でお兄さん、お姉さんの二人組に出会いました。
お兄さん/お姉さん「(テン泊装備!遠くから縦走してきてそう!)どちらから縦走してきたのですか?」
マツ「麦草峠からです。」
お兄さん/お姉さん「 あ…(察し)そうなんですねー!」
マツ「…はい!お二人もお気をつけて!」
たかだか麦草峠です…赤岳とか言わず期待に応えられなくてすみません…

とかやり取りをしているうちに、ついに双子池が見えました!

14:37 双子池到着。やっと着いたぜー。テン泊装備だと長く感じました。

双子池には2つの池があります。文字通りですね。
1つ目の池の雄池です。この水はなんと飲めるんです!詳しいことは忘れてしまいましたが、保健所かな?どこかの行政機関がこの池の水は飲めると認定したみたいです。
疲れていた私は、もちろん飲みました。ガブガブいきました。多少の虫が浮いていても気にしません。もちろんおいしかったです。

こちらが雌池です。雌池の周りにテント場があります。
テント場の受付をしに双子池ヒュッテのお父さんを尋ねました。
お父さん「雄池は、まあ飲めるけど、腹壊すからガブガブ飲まない方がいいよ。ガブガブ飲むなら煮沸した方がいい。」
麦草峠の近くの病院をググりました。携帯の電波が無かったので、覚悟しました。
さてテントを張りにいきます。テントを張れる場所は双子池ヒュッテから見て雌池の反対側なので、ヒュッテから片道5分~10分ほどかかります。ちなみにテント場代は800円/人でした。

テント場まで歩いてきました。
双子池ヒュッテのお父さん曰く、本来は池沿いから少し離れたところにテントを張るのだが、今日は池の水位が低いから池沿いにテントを張っていいよ、池沿いが人気だよ、とのことでした。
なので、


池沿いに張っちゃいました。また人気に踊らされちゃいました。いやーしかしこの日はいい天気。
なお、この写真の右奥には大学生?社会人?4人組が既にテントを張っていました。
さて、これから双子山まで登ってタイミング合えば夕日でも…と考えていたので、疲労した脚に鞭を入れつつ、アタックザックとトレッキングポールを持って双子山を目指しました。
というのも、次の日は天気が悪いことがわかっていたのです。次の日の朝は曇りで、正午ぐらいから雨が降る予報だったので、日の出は見れないし、雨に降られる前に下山しようと考えていました。
よし、天気のいいうちに本日4度目の山頂からの景色を見に行くぞ!

ビールがうまいねぇ!
その通り!心がぽきっと折れたので、諦めました。正確に言うと、双子山への登山道を10m程度登ったところで、脚に疲れがどっと出てきたので、急遽目的地を双子池ヒュッテに変更しました。
今日の山行、これで終わりッ!
テント泊~双子山~下山 天気が魔物に変わる
双子池ヒュッテ、テントでの生活

さて、時間もできたので、双子池ヒュッテを探索します。
双子池ヒュッテは、とても清潔にされており、きれいな山小屋でした。写真左の水道からは、地下からくみ上げた水が出ると書いてありました。宿泊客+キャンプ客は無料です。ただ、この水も要煮沸です。

小屋の中に入らせてもらうと、なんとアウトドアライターの高橋庄太郎さんと、グレートトラバースの田中陽気さんのサインがありました!田中陽気さんはこの日の1週間前に双子池ヒュッテに寄られていたそうです!ニアミス!
…誰?って方、感覚は正常です。うおーって興奮した方、私と同志ですね。もしくは変態ですね。

さてご飯を食べにテントに戻ります。

夕食はイエローカレーです。米を炊いて、イエローカレーを温めてかけるだけですけどね。
今回は生米を持ってきました。何日も縦走するのであればアルファ米の方が軽くていいですが、1泊だし、大丈夫です。

テントの中から池が見える!確かに池沿いはいいですね。人気なのもうなずけます。
この時当初の目的は既に頭から消え去っていましたが、そうそう、この旅は双子池で「チルる」ことが目的でした。でもこの双子池の池のそばでゆっくりと過ごせたので、目的は達成できました!
ほんとオススメします。皆さんも是非行ってみてください。でも混むのは嫌なので私と違う日でお願いします。
で、この日サボった双子山には、早朝に登って日の出を見るんだ!と固く心に誓った私は、次の日は03:00に起きる計画を立てました。夕食を食べて、持ってきたウイスキーをぐいっと飲み干して、この日は寝ました。
双子山

おはようございます。AM 03:50 起床。はい、寝坊しました。賢明な読者の方々なら既にお気づきと思いますが、私は意志は豆腐並みです。
日の出は04:30頃。急いで双子山山頂に向かいます。

樹林帯を急いで駆け上がり、04:39 開けた場所に出て、日の出らしきものが見えました。が、この日は雲が多かったので、あまりはっきりとは見れませんでした。
この日はもし早く出たとしても日の出の瞬間は見れなかったでしょうね~(負け惜しみ)

開けた場所を進みます。山頂まではもう少し。

04:44 標高2,224m 双子山山頂に登頂。

山頂付近はこのような草原が広がる開けた場所でした。天気のいい日は大変気持ちがよさそうです!大河原峠に車を止めて20分程度でここまで来れるみたいなので、初心者の方にもおすすめです。


テントに戻ります。登ってくるときは急いでたし暗かったのでよくわかりませんでしたが、こんな樹林帯だったんですね。

テントに戻り、朝食を取ります。昨日炊いた米をチーズリゾットにして食べました。
この後テント内でだらだらしていたのですが、だんだん雲行きが怪しくなってきたので、急いでテントを撤収することに。

撤収完了!と同時に、雨がぽつぽつと降り始めました。双子池に別れを告げて、出発です。
テント~麦草峠

麦草峠へは、最初はこんな林道を歩きます。小雨ですが、八ヶ岳の森は気持ちいいので、あまり苦ではなく、むしろ心地よかったです。

厳しく管理されている中、ゴミのことだけかわいい女性が言ってますね。

途中から樹林帯に突入します。

何かの怪獣みたいのに見えます。こういうの、好きです。

とかのんきなことを考えていたら、雨が本降りになってきました。ここで全身雨具装着。八ヶ岳だから雨もいいとか言っていた過去の自分を締め上げたいです。
ここから、雨に降られていたためなのか感覚的には長い道のりでした。しかも麦草峠までそれなりに登り…。登山の最後が登りってどういうことやねん!自然の摂理に反しているだろが!
尾瀬で鳩待峠まで帰るのと同じ感じっすね。

ついに雨池に到着。どうですかこのブレブレ感。雨にやられて落ち着き0なのがバレバレですね。

うん、早く下山しましょう。

最後は、こんな整備されたきれいな森を通って帰り、ついに麦草峠までたどり着きました。
まとめ
北八ヶ岳はやっぱり気持ちのいい森がたくさんあり、天候に恵まれた1日目は景色も楽しみ、双子池で「チルる」ことにも成功しました。
はじめてのソロテント泊でしたが、私は一人をそれなりに楽しむことができる人種なので、静寂なひとときをゆっくり過ごすことができ、満足度は高かったです。
ただ、複数人でまた来たいとも思わせてくれる、そんな山行でした。
皆さんも是非行ってみてはいかがでしょうか。
【北八ヶ岳】麦草峠~双子池 梅雨の晴れ間のソロテント1泊2日の旅 おしまい